席上、元日本国内閣総理大臣・村山富市氏から送られた祝辞が披露され、「日中関係は現在、さまざまな困難に直面しておりますが、日中間の4つの政治文書の精神に基づき、双方の出版界が相互交流を進めること、また相互理解を深めるために有益な書物を世に出していただくことは、新たな日中関係構築のためにも非常に重要なことであると信じるものです。皆様が今回の交流会を機に、日本と中国の出版交流と相互理解の促進、ひいては日中の平和と友好のために、益々ご活躍されますようご期待申し上げます」などとする内容が読み上げられた。
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第3回となる今回は、「日中翻訳出版ビジネスと日中文化交流」をテーマとして「日本における中国関連図書の刊行状況」について日本書籍出版協会の中町英樹専務理事が、また「中国の出版市場及び公共サービスの現状」について譚団長がそれぞれ報告。
譚団長は中国の出版市場の現状について「現在、中国には全部で583社の出版社があり、2013年に出版された書籍総数は40万種類以上、定期刊行物は約1万種類、新聞は約2000種類に上る。また、AV(オーディオ・ビジュアル)製品の出版社は369社、電子出版社は268社、2013年に出版された録音製品、録画製品総数は1万8000種類。(中略)広域チェーン出版企業30社は全て中国の中・東部に集まっている」などと紹介。
その上で、中国でも近年(オンライン書店の拡大などで)実店舗が苦境に陥っているが、同総局としてこれを食い止め、支援するため、実店舗建設を国家新聞業の「第12次五カ年計画」(2011〜15年)に採択。また、2013年には政府が営業税緩和などの優遇政策を決定した。こうした措置により「業界の企業熱は大いに高まった」との政府当局による新たな文化支援策の成果が報告された。
交流会ではこのほか、「日中著作権ビジネス」や「出版社及び著訳者の取り組み」に関する報告のほか、「日中相互信頼促進における出版界の役割と課題」と題する報告を日中双方の専門家、実務者らが行った。
さらに分科会・懇親会では、日中双方の出版関係者らが、今後の相互協力に関する取り組みなどについて、熱心な意見交換を行った。
第3回日中出版界友好交流会開催と合わせて、日本僑報社は「日中著作権代理センター」を創設し、公式サイトを開設した。http://a.duan.jp/index.html